こんにちは。私は、犯罪心理学に興味があり、特にシリアルキラーのプロファイリング系の犯罪ドキュメンタリーが大好きです。
Netflixでは、クオリティの高いドキュメンタリーがたくさんあり以前、記事を書いたりしていましたが、Amazon Primeでもオリジナルやアメリカのテレビ局制作のドキュメンタリーシリーズがたくさん視聴できます。
今回は、「もしあなたの愛する人がシリアルキラーだったらどうする？」という、犯罪加害者の家族に焦点を当てて制作された二つのドキュメンタリーシリーズをご紹介したいと思います。
「テッド・バンディ～連続殺人犯を愛した女～」2020年
こちらの作品は、Amazon Primeオリジナルのドキュメンタリーシリーズです。
Netflixの「殺人犯との対談：テッド・バンディの場合」はとてもクオリティが高く、面白いので、何回も見ている私ですが、先日まで、このドキュメンタリーの存在を知りませんでした。
このドキュメンタリーは、テッド・バンディの長年の恋人であるエリザベス（リズ）・ケンドールと娘のモリーに焦点を当てています。
リズがテッドと出会ったのは、若いシングルマザーだったリズが故郷のユタ州になじめず、新天地であるワシントン州のシアトルの大学で秘書の仕事見つけ、娘を育てながら自立した生活を手に入れたときでした。
故郷では、周囲になじめず自尊心が傷つけられ、自分のことを「ヘン」だと思っていたリズの前に、突如現れたハンサムな男にリズが夢中になっっていった様子が語られます。
テッドは、出会った人に「娘の結婚相手として理想的」と思わせるような魅力があり、リズだけではなく、娘のモリーにも愛情を注いでいました。
しかし、そんな魅力的な表の顔から次第に裏の顔が現れはじめます。
次第に、変わっていくテッドに不信感を抱きながらも、できることなら当初の愛のある関係に戻りたいと願うリズの揺れ動く女心が語られます。
テッドの逮捕後、すべてが明らかになったとき、リズは、当時、テッドを疑いつつも愛されたいと思っていたことに、自責の念を感じ、そんな自分には生きる価値がないと思い詰めることになるのですが。。。
時代は、女性解放運動が盛んな頃で、「女も男と同じようになんでもできる」と女性たちは自分たちの強さと寛容さをアピールしていました。
それと同時に、薄くなった警戒心の隙を、テッドは、たくみに見抜いて、女性の心をもてあそび、また多くの命を奪っていったように思われました。
テッドの餌食とならなかったリズやモリーは、テッドからたくさんの愛をもらっていたのですが、結果としては、テッドを愛したことが後悔となり、苦しい日々を送ることになったのです。
このドキュメンタリーシリーズでは、テッドの弟や、生還者、被害者の家族や友人のインタビュー、また法廷でテッドがプロポーズしたキャロル・ブーンという女性についてのエピソードもあり、テッドに人生を狂わされた人々についてかなりくわしく語られています。
また、リズとモリー親子との写真もたくさん公開されています。
テッド・バンディ～連続殺人犯を愛した女～をAmazon Primeで観る
「モンスター・イン・ファミリー」2020年
「モンスター・イン・ファミリー」(Monster in my family)は、2015年にアメリカのライフタイムムービーネットワークが制作したテレビシリーズです。
こちらもAmazon Primeで視聴できます。
語り手は、自身がシリアルキラーの父親（キース・ジェスパーソン「ハッピーフェイスキラー」）を持つメリッサ・ムーアという女性ということで、正直、最初は、シリアルキラーの娘を語り手にして、奇抜なアイデアで人の好奇心を引こうとする悪趣味なドキュメンタリーなのかと思いきや、実によくできたドキュメンタリーでした。
視聴後に、多くのクオリティの高いドキュメンタリー番組を制作しているライフタイムネットワークというアメリカのテレビ局のシリーズだと知り、納得しました。
内容は、3つの事件の犯人（シリアルキラー）の家族の苦しみが語られ、メリッサが仲介役となり加害者家族が被害者家族に謝罪するというものです。
・エピソード1：キース・ジェスパーソン
1990年代にアメリカの各地で８人の女性を殺害し、新聞社などに、ハッピーフェイスの絵文字入りの手紙を送ったことで、「ハッピーフェイスキラー」として知られるキース・ジェスパーソンの家族であるメリッサ・ムーアが父親の犯罪を振り返り、母親とともに被害者家族に謝罪に向かいます。
・エピソード2：ロバート・イェーツ
ロバート・イェーツは、1975年から1998年にかけてワシントン州スポケーンで11人を殺害したとして死刑判決を受けました（後にワシントン州が死刑を廃止したため、仮釈放なしの終身刑となり、現在も服役中です）。
ロバートには、5人の子供がおり、一見普通の家族でしたが、ロバートは、妻や子供たちに暴力を振るい、暗い家族歴がありました。
このエピソードでは、5人の子供のうち、娘のアンバーとミシェルが被害者家族に謝罪に向かいます。
・エピソード3：ジョン・ゲイシー
1972年から1978年にかけてシカゴで33人の少年を殺害したとされる有名なシリアルキラーです。
父親とは不仲で不遇な少年時代を送ったジョンでしたが、ビジネスで成功し、父親に認めてもらうことができたものの、少年への不適切な行為を繰り返していました。
ゲイシーの妹カレンとカレンの娘のシェリが被害者家族に謝罪に向かいます。
シーズン２もあるようなので、配信が楽しみです。
モンスター・イン・ファミリーをAmazon Primeで観る
まとめ
シリアルキラーの家族が被害者家族に謝罪に行くなどという企画は、アメリカならではだと思うと同時に、犯罪の被害者や被害者家族だけではなく、加害者家族も同じく苦しみを乗り越えていかなければならないという点に焦点を当てたことが斬新であり、勇敢であると思います。
加害者家族からしたら、自分の家族や恋人が人様の命を奪うという行為は絶対に許せないが、一時は、生活を共にし、楽しい時間を過ごした家族を失うということもなかなか受け入れがたいのだと思います。
被害者と加害者、「その背負った十字架はどちらが重いのか？」
天秤にかけられるわけではないのですが、先日視聴した日本映画「望み」という映画は、その究極の選択を迫るような内容でした。
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