こんにちは。先日、Netflixで配信されたニコラス・ケイジの「ダークサイド」という映画を見ていて、以前、「覗き」をテーマにした「覗くモーテル」というドキュメンタリーがあったことを思い出しました。
どちらも、「覗き」と「モーテル」をテーマにしています。
映画「ダークサイド」を見る前に、「覗くモーテル」を見てみるのもいいかもしれません。
「覗くモーテル」2017 年 (Netflix)
題名を見る限り、覗き魔に関する犯罪ドキュメンタリーかと勘違いしてしまいますが、内容は、ジャーナリズムに関してです。
2016年にアメリカで出版された有名なジャーナリストのゲイ・タリーズの「覗くモーテル観察日記」をめぐるドキュメンタリーで、2017年に作成されています。
1969年(フースの主張によると)に、コロラド州に住む、覗きが趣味のジェラルド・フースという男が覗きのためにモーテルを購入します。
覗きのためという目的があるので、屋根裏の通気口から宿泊客を覗けるように覗き部屋を作ります。
しかも、最初の妻にもきちんと(?)打ち明け、協力体制も整えていたと言います。
驚くことに、二番目の妻にも、その協力体制が引き継がれていきます。
フースいわく、その覗きの行為は「研究」で、その研究の成果を有名なジャーナリストのゲイ・タリーズに執筆してほしいと手紙を書いて依頼します。
その奇妙な依頼の手紙を受け取ったタリーズは、フースに興味を持ち、本の執筆を引き受け、それ以来30年にもわたって親交を深めることになりますが、本の出版を前に、メディアからの指摘を受け様々な矛盾が明らかになります。
出版社としては、有名なジャーナリストであるタリーズが執筆することと、このフースの「覗きの日記」が人間観察から米国の実態をよく捉えていたことなどを評価して出版することに決めたようですが、ノンフィクションである限り、事実の裏付けが取れないことを公に出すわけにはいかないというわけです。
タリーズ自身、実際に、モーテルに赴き、覗き部屋から宿泊客の様子を覗いたということが確かなだけで、フースが日記に記しているモーテルで起こった殺人事件や宿泊客に関すことなどはタリーズがフースから話を聞いただけで、なんの裏付けもありません。
殺人事件があった後、フースはモーテルを韓国人のオーナーに売却したという話でしたが、本の出版を前にして、タリーズがモーテルを探したところ、すでに取り壊されており、跡形もなくなっていたのですが、そのことを、タリーズがフースに問いただすと、フースも知らなかったとごまかします。
フースを信じられなくなったと同時にこの本に関わったことでタリーズのジャーナリストとしての信用もなくしていってしまいます。
最終的に、タリーズは本の宣伝はしないことにして、闇に葬ることにします。
タリーズとしては、本の出版は失敗に終わりましたが、このドキュメンタリー映画を作成することで、意味があったことにしたかったのではないでしょうか。
まとめ
モーテル経営は、プライバシーを守ることが信頼につながるような仕事だと思うので、これはさすがにアウトだと思います。
覗かれて、それを本にするようなオーナーのいる宿泊施設には絶対に泊まりたくないです。
生活を切り売りして儲けようという発想だったのかもしれませんが、その金儲けの発想は、モラルの欠けた、ただの悪趣味としか言いようがありません。
しかし、フース夫妻はもっと緻密な計画のもとに、この話を進めていたのかなということも想像できます。
おそらく、フースという男は、目立ちたがり屋なのですが、「変態」として有名にはなりたくなかったのです。
覗きなどということは、犯罪であって、理解する人などほとんどいないでしょう。
なので、覗きが趣味で、その一般的には悪趣味な行為を研究にして、その成果を本にしたということで有名になりたかったのではないでしょうか。
しかし、「覗き」を「研究」して「研究者」になろうとしていたのであれば、まじめにドン引きですね。
また、フース夫妻が、近所付き合いもせず、友達もつくらないのは、その本が出版されて有名になったとき、その報酬を独り占めしたかったからではないでしょうか。
何はともあれ、好きなことを(趣味)を仕事にして、それを切り売りして金儲けをするという、とても強欲な男だなと思いました。
しかし、年間2,000~3,000人を覗いていたというし、部屋を汚す客にむかついて、いたずらを仕掛けたりもしていたというので、モーテル経営はそんなにヒマなのでしょうか?
余談ですが、映画「ダークサイド」でも10号室がいわくつきの部屋なのですが、フースのモーテルでも殺人事件が起きた(フースの主張によれば)部屋が10号室です。偶然なのか、意図があるのか??
コメント