おすすめドラマシリーズ:「ナイトストーカー:シリアルキラー捜査録」

映画、ドキュメンタリー

 こんにちは。今回は、Netflixのおすすめドキュメンタリーシリーズ「ナイトストーカー:シリアルキラー捜査録」をご紹介したいと思います。

 このドキュメンタリーシリーズは、1984年から1985年にかけて、ロサンゼルス近郊を震撼させた凶悪な連続殺人事件を追う二人の警官に焦点をあてたものです。

 のちにマスコミにより「ナイトストーカー」と名付けられた犯人は、老若男女問わず殺人を繰り返していて、捜査員たちはなかなか犯人にたどり着けませんでした。

 それは、複数の管轄が存在するロス市警の連携の問題や報道の仕方や犯人逮捕を急ぐあまり、犯人しか知り得ない情報をリークしてしまうというサンフランシスコ市長による会見など担当する捜査員たちの思惑通りにはいかない事態がしばしば起こり捜査を難しくしてしまっていたからです。

 犯行は、凄惨なものであり、ときには五芒星(ペンタグラム)と呼ばれる悪魔崇拝を連想させるマークが壁に残されていたことから、悪魔崇拝のうわさが流れ、人々は恐怖でパニックに陥っていました。

 マスコミも、この異常事態を嗅ぎつけ、被害者の証言による似顔絵とともに連日報道するようになると大量の情報が警察に寄せられ、次第に捜査の点と点がつながり線となっていきます。

 市民の目撃情報の中で、路上生活者の男性がロサンゼルスのドヤ街と言われる地域であるスキッドロウのバス車庫にいたときにエル・パソ出身のリックという男と知り合い、ある殺人事件で使われた銃についての話を聞いており、それは犯人しか知り得ないもので、このリックという男が捜査線上に浮かんできました。

 ちなみに、この話は、犯人がスキッドロウ近くのセシルホテルにしばしば宿泊したとして同じNetflixのエリサ・ラム事件を題材にした「事件現場から:セシルホテル失踪事件」の中でも語られています。

 市民から寄せられる目撃情報により捜査網が狭まっていくなか、指紋照合システムの導入などにより犯人の特定に成功します。

 市民を恐怖に陥らせた犯人の名は、リチャード・ラミレスとわかり、ロサンゼルスとサンフランシスコで記者会見が開かれ名前と写真が公表されることとなります。

 街中の新聞に顔写真が掲載され、逃げ切れなくなったラミレスは、住民に追われ、リンチ寸前のところを警察に助けられる形で逮捕されます。

 逮捕当初、汚い歯をして悪臭を放ちカップケーキばかりを食べていたので栄養失調でホームレスのような出で立ちのラミレスでしたが、弁護士の意向で外見を整えると、カリスマ性を発揮し、裁判所にはグルーピーと呼ばれる女性ファンが押し掛けると言う異様なものになりました。

 裁判所をステージとばかりに、傍聴席にいる女性に手を振ったりウィンクをしてみせたりする一方で、悪魔崇拝の言葉を発したり、手のひらに悪魔崇拝のマークを書いて挑発的に披露してみせたりしますが、裁判自体は、ラミレスが弁護士を何度も解任したり、裁判を担当した弁護士が経験の浅い弁護士だったりしたこともあり、まるでサーカスのようだと人々の嘲笑を買いました。

 判決は、誰もが予想した通り死刑でしたが、ラミレス自身は、「ディズニーランド(Death in Landのもじり)で会おう」と最後までスター気取りでした。

 このドキュメンタリーは、捜査官に焦点をあてたものなので、ラミレスの生い立ちや犯罪心理などはあまりくわしく語られていませんが、ラミレスの犯罪者としての人格形成には、ベトナム戦争に従軍した従兄の影響を受けているとも言われています。

 また、幼いころに頭部にケガをしており、この頭部のケガによる脳の損傷は、行動障害を引き起こすと言われています。

 この脳への損傷による行動障害が原因で、殺人事件を起こし、逮捕され、後に獄中で自殺したNFL選手のアーロン・ヘルナンデスを題材にしたドキュメンタリーシリーズ「内なる殺人者:アーロン・ヘルナンデスの素顔」も興味深いので見てみてはいかがでしょうか。



 

 







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