こんにちは。私は、それほど韓国映画やドラマにくわしくないのですが、韓国のサスペンス映画が大好きです。
特に、スピーディでカオスなもの!
最初の頃は、残酷で生々しい描写に嫌悪感があったのですが、「チェイサー」(2009年)あたりから、残酷さや生々しさへの嫌悪感にも増して、スピーディな展開とカオスな雰囲気と俳優の演技のうまさに魅了されていくようになりました。
そこで、今回は、①スピーディ②カオス③俳優の演技のうまさの三拍子そろった韓国のサスペンス映画を紹介したいと思います。
①追憶の殺人(2003年)
軍事政権下の1980年代後半に発生し、10人の犠牲者を出した華城連続殺人事件を巡る刑事たちを描いています。
映画のモチーフとなった華城連続殺人事件は、2019年に別の殺人事件で収監されていた男が、DNA鑑定や自白の結果、真犯人であることが明らかになりましたが、華城連続殺人事件の時効が成立してしまっていたため、起訴することができませんでした。
映画の中では、1980年代の活気があるけれども、暴力がはびこる無法地帯のような世の中で、無防備な人々の生活が描かれています。
弱い者は、あからさまに虐げられても、その弱い者に手を差し伸べる温かさもある時代のお話です。
②パラサイト
「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホがコンビを組んで、アカデミー賞の作品賞を受賞した作品です。
半地下に暮らす全員失業中の家族が、全員で金持ちのIT企業の社長の家に身分を偽って入り込み、パラサイトしていきます。
パラサイトされた家は、そこに暮らす家族もろとも猛スピードで悲劇へと向かっていきます。
パラサイトされた社長家族は決して悪い人たちではありませんが、見る目がなかった「裸の王様」だったのかもしれません。
映画の中で、社長夫人が食べる「チャパゲティ」と「ノグリ」というインスタント麺に焼いた牛肉を乗せた料理が話題になりました。
私も「チャパゲティ」を試してみましたが、まずくはないですが、再び「食べよう」という気には今のところならないです。
「ノグリ」なる麺を混ぜ合わせて、おいしい牛肉を乗せれば、食べてもいいかなと思っています。
③ありふれた悪事(2017年)
軍事独裁時代の1980年代の韓国で、家族思いの一人の警察官が大統領直属の国家情報機関の国家安全企画部の男に殺人事件を捏造することを命じられ従ってしまいます。
軍事政権下で、虐げられていた普通の人々。
お上に逆らえば、破滅する危険もあるけれど、真実を捻じ曲げてでもご機嫌を取ればすべてを保障してもらえるという究極のところで、選択した道が果たして正しかったのか。
軍事政権に反対し、民主化を勝ち取ったのは、「普通の人」だったように、いつの時代も、正義を勝ち取るのは、「普通の人」なのです。
④チェイサー(2008年)
2003年から2004年にかけてソウル特別市で発生したユ・ヨンチョルによる連続殺人事件(レインコートキラー)をモチーフにしています。
現実の事件では、夜の街で働く女性ばかりではなく、お金持ちの人たちなども犠牲になりました。
ネットフリックスの「レインコートキラー」のドキュメンタリーもおすすめです。
ドキュメンタリーでは、映画では描かれていない警察内部の事情も語られているので、興味深いですよ。
⑤哀しき獣(2010年)
監督は「チェイサー」のナ・ホンジンで、主演は、「チェイサー」に出演していたハ・ジョンウです。
中国国内の朝鮮族自治州でタクシー運転手をしている貧しい暮らしのグナムが、ギャンブルで作った借金返済のための請負殺人と出稼ぎの妻を探すために韓国へ向かいますが、予想外の展開となり、闇の世界に引きずり込まれてしまします。
中国の朝鮮族という存在をこの映画で初めて知りました。
朝鮮族を理解するには、複雑な歴史的、社会的な背景があるようですが、映画で描かれているような危険で、貧しい底辺の社会で生きて行かざるを得ない事情を抱えた人も多いようです。
⑥記憶の夜(2017年)
新しい家に引っ越してきたのも束の間、兄が何者かに拉致されてしまい、17日後に無事に帰ってきますが、なんだか様子がおかしい。
ある夜、出かける兄の後を追いかけていくと、あやしい雑居ビルに入っていきました。
兄には秘密があると疑う弟でした。
この映画は、ネットフリックス制作の映画です。
先が読めそうですが、そうきたか!と驚きの展開です。
まとめ
刑事が出てくる映画では、とにかく、タバコプカプカで、食事の仕方も豪快で汚いし、血だらけだし。。。
どんな臭いがするんだろうと思ってしまうのですが、そのカオスがくせになるのです。
そして、いつでもジャージャー麺を食べている!
お行儀のいい食べ方ではないし、きれいな食堂でもないのに、なぜかおいしそうに見えるのです。
これからも、スピーディでカオスな韓国映画を見つけていきたいと思います!
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