こんにちは。今回は、先日Netflixで配信された「死ぬほどあなたを愛している」をご紹介したいと思います。
この映画は、実話を元にしたヒューマンドラマとなっていますが、2015年の「ディーディー・ブランチャード殺人事件」とその事件の裏にある虐待事件が元になっています。
ディーディー・ブランチャード殺人事件
2015年6月14日、アメリカのミズーリ州でディーディー・ブランチャードが遺体で発見されます。
この家で、ディーディーは、病気で障害のある娘のジプシー・ローズと2人で暮らしていました。
母親の遺体が見つかったとき、ジプシーの姿が見当たらず、車いすが残されていたため、誘拐された可能性があると思われていましたが、翌日、恋人のニコラスと一緒にいるところをウィスコンシン州で発見されました。
発見されたジプシーは、大人の女性で、しかも車いすがなくても歩行可能で、母親が主張していたような障害はありませんでした。
ディディーはジプシーに年齢を偽り、障害者のふりをするように強要していました。
また、ジプシーは、ディディーによって病気にさせられ、不必要な手術や投薬治療を受けさせられていました。
このように、健康な子供を病気にさせて、それを献身的に支える親を演じることで、周囲の同情や関心を得ようとする精神疾患を代理ミュンヒハウゼン症候群と言います。
また、ジプシーの病気や障害とディーディーの献身的な介護の様子は、マスコミでも報じられ、世間の同情と賞賛を集め、慈善団体から多額の寄付を受けていました。
しかし、このような虐待を受けていた子供が母親を殺害するケースは、ほとんどなく、ジプシーは、第二級殺人罪の罪で10年の刑が言い渡されました。
実際に殺人を犯したニコラスには第一級殺人罪が言い渡されました。
虐待
殺された母親のディーディーは、一時期、看護婦助手として働いていたそうです。
24歳のときに、17歳だったロッド・ブランチャードの子供を妊娠しますが、ジプシーが生まれる直前に別れています。
ディーディーと2人で暮らすようになったジプシーは、幼少期から原因不明の病気やケガに見舞われ、ほとんどの時間を病院で過ごすことになります。
手術も数回受けさせられ、病気を理由に学校にも通わせてもらえませんでした。
2005年に当時、親子が暮らしていたニューオリンズ州がハリケーン・カトリーナの襲撃に遭い、町が壊滅したため、避難しなければなりませんでした。
カトリーナの破壊から避難せざるを得なかった重度の障害を持った子供とそれを支える母親の話は、話題になり、マスコミに取り上げられるようになりました。
ジプシーを診察した医師の中には、ジプシーに病気が認められず、母親の代理ミュンヒハウゼン症候群を疑う者もいましたが、疑われると、病院を変え、うまく逃げていたようです。
ジプシーの方も、母親から逃げる方法を考えていて、インターネットのオンラインでウィスコンシン州在住のニコラスという青年と親しくなり、母親からの逃走を計画していました。
その逃走計画は、母親の殺害という結果につながってしまいました。
まとめ
生まれたときから、外との関係を遮断されており、母親の言いなりになるしかなかったし、それが嘘だという判断もつかなかったジプシーに対して同情しかありません。
失われた時間は元には戻らないし、精神的、肉体的な傷も大きいと思いますが、これからの人生がより良いものとなっていくよう願わずにはいられません。
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