こんにちは。今回は、前回からの続きで、「猫の不思議」について書いていきます。猫の不思議を知れば知るほど、ますます猫が好きになります。
嗅覚について
「猫がいればそれだけで」第2章「驚くべき猫の身体能力」によると、
「猫の鼻の粘膜は複雑な形をしていて、表面積はとても広い。
さらに鼻がいつも湿っているので、粘膜ににおい成分がくっつきやすくなっている。
その結果、猫の嗅覚は人間の数万~数十万倍も敏感になった。
猫は、食べる前に、必ずクンクンと食べ物のにおいを嗅ぐ。
食べ物が腐っていないか、毒はないかなどの安全性をにおいで判断するのだ。
また、においがしない食べ物にも手をつけない。
鰹節といえば猫の大好物だが、だしをとった後のだしガラには、よっぽどお腹がすいているときでもなければ手を出さない。
(中略)猫は鼻だけでなく、もうひとつ、においを嗅ぐ器官をもっている。
口の中の上あご部分にある「ヤコブソン器官」という部位だ。
この器官は、主にマタタビや異性を惹きつける性フェロモンなどを感じ取る。
ここでにおいいを感じると、なぜか猫は変な顔になってしまう。
鼻にシワを寄せ、口元は笑ったように半開きになるのだ。
人間は不可解なにおいが漂ってくると「何だこのにおいは?」と顔をしかめたりするが、それに似たところがある。
この時の猫の表情は「フレーメン反応」と呼ばれている。」
「猫は食べ物を味覚よりもにおいで判断するため、味覚はあまり発達していない。
舌には人間と同じく、味を見分ける「味蕾(みらい)」という組織があるが、性能はよくなく、猫の味覚は人間の20分の1程度と考えられている。
塩辛さや苦みは何とかわかるけれど、甘みやうまみは感じないようだ。
犬はアイスクリームなどが大好きだが、同じ感覚で猫に甘い物をあげることは絶対におすすめできない。
ただ、酸味には敏感で、これは仕留めた獲物の生肉を食べる機会が多かったため、腐った肉を食べてお腹をこわすことがないよう、味覚が発達したものと考えれる。」
経験上、猫は苦みに対しても敏感だと思います。
感染症などを予防するためよく抗生物質を猫に飲ませる機会があったのですが、錠剤だとすぐ吐き出したりして、そのまま飲ませるのが難しいなと思ったとき、思いついたのが、
「錠剤を粉々にして水に溶いてシリンジで飲ませる」という方法です。
が、実際に飲ませてみると、錠剤のときより嫌がりましたので、ちょっと味見をしたことがあります。
「すげー苦ーい w(゚Д゚)w」
後味もなかなかなくならない(>人<;)
こりゃ、猫はだめだわってわかってからは、抗生物質を無理やり飲ませることはしなくなりました。
猫は、味覚ではなくにおいで食べ物を判断するということはよく聞きます。
食欲がないと、もしかしたら、鼻がつまっているのかもと疑うのは、そのためですね。
においがしないと食欲もわかないということです。
また、「猫は、においで敵と味方を嗅ぎ分ける動物だ」
私が、まだ実家に住んでいたころに飼っていた猫たちの話ですが、それまで犬を飼っていたことから、「猫も、シャンプーをしなければならない」と思い込んでいたので、定期的に猫をシャンプーに連れて行っていました。
シャンプーして帰ってきた猫は、必ず他の猫に「シャーシャー」威嚇されまくっていました。
そのとき「猫は、人間のように視覚的に相手を認識しているのではなく、においで認識してるんだな」と驚いたことがあります。
視覚について
第2章「驚くべき猫の身体能力」によると、「夜間、猫の目が光るのは、網膜の下の層に、光を反射する「タペータム」という膜があるからだ。
人の目が光りを吸収する構造であるのに対して、猫の目は光を反射するため、跳ね返された光によって網膜は光の刺激をより多く受け取ることができ、薄暗がりでも明度をアップさせて見ることができるというわけだ。
猫の祖先は、もともと夜行性で、森で活動していた。
そのため猫の目は、暗がりでもネズミなどの獲物が見分けやすいように発達したのだと思われる。」
「さらに、視野は両目を使えば285度にも及ぶ。
自分の周囲を、ぐるりとほぼ後ろまで収めている格好だ。
しかも立体的にとらえることができるので、一瞬にして獲物までの距離を測ることができる。
だから、動く物をとらえる動体視力がとても優れているのである。
その反面、猫は静止したものを見分けるのは得意ではない。
近くにある動かないものはなかなか見つけられなかったりする。猫じゃらしで猫と遊ぶときも、必ず動かさないと飛びついてきてくれない。」
「猫は色を見分けるのもあまり得意ではない。犬はモノクロでしか見えていないといわれるが、猫は青と緑は識別できる。ただし、赤はわからないようだ。」
「グレインフリー」について
最近、よく耳にする「グレインフリー」のキャットフードについて学んでいきましょう!
第3章「猫と暮らすということ」によると、
「猫の食事で最も必要な栄養素はたんぱく質だ。
(中略)「グレインフリー」とは「穀物を使わない」ということになる。
穀物はいわゆる炭水化物の供給源である。
人間の世界でも、このところ「炭水化物抜きダイエット」がもてはやされている。
我々の食生活ではごはんやパン、麺類、パスタ類にケーキ類など炭水化物があふれているが、炭水化物の摂りすぎは高血糖や肥満に結び付き、さまざまな生活習慣病の基になる。
人間の体の中では、炭水化物は消化されて糖質に変化し、エネルギー源になる。
しかし、もともと肉食動物である猫は、野生のときから現在に至るまで、ほとんど炭水化物は必要としない。
猫の体に過剰に炭水化物が入り込むと、体内酵素がすばやく反応して余分なブドウ糖を脂肪として貯蓄する。
その結果、肥満、消化不良、糖尿病その他の健康問題の呼び水となりがちだ。
(中略)今後、キャットフードを選ぶときは、グレインフリーに注目したい。」
※グレインフリーのフードは、多くが40%を超える高たんぱく質の設計になっています。
高たんぱく質ということは、同時にリンというミネラルの含有量が多い可能性があるため、腎臓病の猫には与えてはいけません。
マタタビについて
「猫が好きな植物として有名なのが「マタタビ」だ。
マタタビを猫にあげると、恍惚の表情を浮かべながら、体をくねくねさせて転げまわったりする。
マタタビの何が猫を惹きつけるのか?
マタタビの中には猫がにおいを嗅ぐと興奮する「マタタビラクトン」「アクチニジン」という2つの成分が含まれている。
このにおい成分の素は、メス猫がオス猫を誘うときのフェロモンのにおいに似ていて、猫の口の上あごにある「ヤコブソン器官」という器官で感じ取り、脳や中枢神経を刺激するのだ。
したがって、マタタビでメロメロになりやすいのは、オス猫のほうが多い。
生まれてまもない子猫や、すでに妊娠中のメス猫は、マタタビ効果が表れないか、あまり効果がない場合が多い。
しかし、いくら猫がマタタビを喜ぶといっても、過剰にこれを与えたりしたら体調を狂わせることになる。
過敏に反応する猫の場合、痙攣や呼吸障害などに陥ることもある。
マタタビは、飼い猫に元気がないときに限って、カンフル剤として用いるのがよさそうだ。」
腎不全について
不思議というより、猫の死因のトップである「腎不全」について知っておきましょう。
「腎臓は、体の老廃物をおしっことして体の外に出す働きをしている。
尿管内の細胞が死んで剥がれ落ち、尿道が詰まってしまうのが腎不全だ。
猫は5~6歳で急性腎不全になり、そのうちの5~7割が改善せずに慢性腎不全になり、15歳くらいで亡くなるというパターンが多い。
高齢猫の3割は慢性腎不全だともいわれる。
腎不全の原因は解明されておらず、治療法も確立されていない。」
壊れた腎臓は、元には戻らないため、腎臓病用の療法食など食事でコントロールすることになります。
メモ:尿毒症になると、「透析」という選択肢しかなくなります。
人の場合、延命のために「透析」を行います。
生活の質を維持し、最終的には腎臓移植にもっていくことが目的です。
猫の場合、透析を行えば、生活は維持できますが、その先に腎臓移植という選択肢が現状ではほぼありません。
人と違い、保険がきかないので、費用がかかることと、治療により強いストレスをかけることになるためです。
猫の腎臓移植はアメリカで行われており、日本では岩手大学で行っています。
ヨーロッパでは猫の腎臓移植はドナーとなる猫に対しての倫理的な問題をクリアしていないとされています。
猫には腎臓を提供しようという意思がないのに、腎臓移植を推奨していくと、野良猫やシェルターで保護されている猫を連れてきて腎臓だけとってしまおうとする人がいないと限らないからです。(宮川優一著「猫の腎臓病がわかる本」より抜粋)。
死ぬとき姿を隠す?
なぜ、猫は隠れて死のうとするのか?第1章「猫の思考と行動のヒミツ」によると、
「弱肉強食の自然界では、体が弱っている動物が真っ先に外的から狙われる。
犬に比べて自然の本能が強く残っている猫は、けがや病気で相当体調が悪くなってきてもギリギリまで自分の体調の悪さを上手に隠したり、気づかないふりをする。
そして、いよいよ頑張りきれないとなると、敵やライバルの目につかないところに隠れて ”養生” しようとするのだ。
猫は、特に暗くて気温の低い場所に隠れることが多い。
そこで動かず体力の回復を図る。
しかし、養生もかなわず、隠れ家でそのままということもあるだろう。
飼い猫にとって、飼い主は自分の面倒をみてくれている主人というよりは自分の仲間であり、ライバルなのである。
だから飼い主の前でも簡単に弱ったところは見せないし、どうしようもなくなれば家の中のどこかに隠れようとする。
猫が死ぬ前に姿を消すというのは、野生で生き抜くための知恵だったのである。
つまり、死ぬために隠れるのではなく、実際に生きるために隠れようとしているということだ。」
私の経験上、猫は死ぬときお風呂場に行きたがるように思います。お風呂場のような暗くて湿った感じの場所にいたいのか、真相はわかりませんが、最後のときを思うと切なくなります。
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