こんにちは。今回は、Netflixで配信された、ビリー・ミリガンのドキュメンタリーシリーズをご紹介したいと思います。
ミリガンが逮捕された1977年当時、多重人格障害という精神疾患はあまり知られていませんでした。
ミリガンの犯行は、ビリーという本人の人格が犯したのではなく、別の人格が犯したという主張でした。
1990年代くらいまで、この多重人格障害という精神疾患は、ミリガンの主張通り一人の人間の中に多数の人格が存在していると信じられていたと思います。
多重人格障害という精神疾患がミリガンの言葉通りだと信じられていた当時は、FBIのプロファイリングによる犯罪心理学がもてはやされていて、大学生だった私も、興味本位でいろいろな本を読んでいました。
当時、強調されていたのは、ミリガンの多重人格障害は、幼少期の壮絶な虐待によるもので、人は耐え難い経験を繰り返ししていると、自分の中に別の人格を作って、生き延びようとするという防衛本能が働く結果だというものでした。
このドキュメンタリーは、ミリガンが事件を犯し、マスコミに取り上げられ、多重人格障害という精神疾患が世の中の注目を集めるとともに、世の中を翻弄していく様子を描いています。
精神鑑定の過程で、犯罪を犯したミリガンが虐待の被害者という視点で語られていたときは、世間の同情を集めていたものの、裁判により、被害女性たちの存在が意識されると世間の同情は、懐疑的な目に変わっていきます。
しかし、世間の注目を集めた事件だけに、発言力や影響力を強く持つ精神医学者やミリガンのことを本にしたいという有名な作家も加わったことにより、一人の人間が持つ側面が、人格とすり替えられていってしまうのです。。
まるで、ジェットコースターのような展開なので、そこは、やはり一人の人格では手に負えないのでは?と思えてしまうのです。
ビリー・ミリガンについて1990年代で時が止まっている方にとっては、「こんなことになってたんだ!」と納得のシリーズとなっております。
2003年に公開された映画「アイデンティティ」は必見です!(Netflixでは視聴できないのが残念です!)
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