おすすめ映画:「今求められるミニマリズム」

映画、ドキュメンタリー

 こんにちは。年末になり、大掃除の時期です。メルカリにはまり断捨離をして、一時は、すっきりしましたが、やはり年末に大掃除をすると多くのゴミが出ます。

 そこで、Netflixで配信されている「今求められるミニマリズム」にヒントがあるのではないかと思い見てみましたよ!

 ミニマリズムを実践するミニマリストたちの生活様式を垣間見て、自分の求める生活様式と比べてみました。

ミニマリズムとは?

 Wikipediaによると、「ミニマリズムとは完成度を追求するために、装飾的趣向を凝らすのではなく、むしろそれらを必要最小限まで省略する表現スタイル(様式)。」とあります。

 もともとは、芸術の分野で発展した考え方ですが、今は、この考え方を生活様式に取り入れて現代の消費社会に警鐘を鳴らすムーブメントになっているようです。

 生活様式にミニマリズムを取り入れようとする人たちを「ミニマリスト」と呼びます。

 ミニマリストは、人生にとってモノではなくもっと大切なモノのために、生きることを目的としています。

 モノは、お金を払えば手に入ります。そのモノを手に入れるために、がむしゃらに働き高収入を得ることは、「欲望のために自己を犠牲にしている」という考えになるようです。

 なので、ミニマリストとは、お金持ちの人たちのことなのだということがわかります。ある程度の地位と財産を築いたので、がむしゃらに働く必要はないことが前提ですね。

「Simple is best」はお金がかかる

 モノがないからと言って、お金がかかっていないかと言うと、そうでもないと思うのです。

 ミニマリストが言う「シンプル」は、「質素」とはイコールにはならないと感じます。

 例えば、洋服でも、「同じ服を着る」と言っても、一枚のTシャツをボロボロになるまで着るということではなく、素材のいい同じTシャツを何枚か持っていて、シンプルに着こなすみたいな感じでしょうか。

 家具なども、白や黒で統一された良い素材の家具を置いているとか。

 確かにモノがなければ、ホコリもたまらないし、ゴミが落ちていればすぐに気づきますので、シンプルできれいな空間が保てますね。

 そのためには、これまたシンプルで性能の良い掃除機などを使うのでしょう。

 

必要なモノと必要ではないものを見極めること

 ミニマリストは、最小限のモノしか持たないことを実践しているので、必要ではないものと必要なものを見極めます。

 「目的を失ったモノは捨てる」のです。

 映画の中で、ミニマリストが亡くなった母親の家を整理していたときに、子供の学校のプリントがたくさん詰まった箱を見つけますが、ミニマリストは、思い出とモノは違うということで、その箱を20年も開けていないのであれば、必要ではないと言います。

 確かに、思い出は胸の中にしまっておけばいいと言う理屈もわかりますが、お母さんが、亡くなる前に、昔を懐かしんでその思い出の品を見ていたかもしれないですよね。。。。

 人間が選択するとき迷うのは、「可能性」という概念があるからだと思います。

 モノを捨てるときに、この「可能性」が邪魔をするのです。

 今は必要でなくても、いつか必要になる可能性があると考えれば、モノは捨てられなくなります。

 ミニマリストは、この可能性を排除するために、一年とか期限を作って捨てていくようです。

 洋服でも、「一年着なかったら、一生着ない」とか。

 

「生活でないものは拒み、死ぬ時に後悔のないよう生きるため」by ヘンリー・ソロー

 ミニマリストの「モノを持たない生活」と聞いて、真っ先に思い出したのが、昔、読んだヘンリー・ソローの「ウォールデン森の生活」という小説です。

 ソローは19世紀の作家で、この小説が出版されたのも1854年なので、160年以上も前なのですが、今のミニマリストの哲学に通じるものがあるのではないでしょうか。

 ソローは、28歳のときに、ウォールデン湖に小さな小屋を建て、そこで2年2ヶ月の間、自給自足の生活を送りました。

 この時の生活の様子やそのような生活をするに至った人生哲学などをまとめたのが、「ウォールデン森の生活」です。


 小説の中でソローは、自給自足の生活を送る中で、生活するために必要なものとして、「食物」「住居」「衣服」「燃料」の4つを挙げています。

 最低限これらのものがあれば、生活には事足りるし、それを得るためだけに働けばいいし、それ以上、働く必要はないはずだと。

 しかし多くの人は生活に必須なものが揃っているにもかかわらず、それ以上を求めて労働に励んで、お金持ちになろうとして、お金を持てば持つほど、それ以上を求めてしまい際限がないとソローは書いています。

 ソローが実践したかったことは、下記の有名な一文にまとめられています。

 「私が森で暮らしてみようと心に決めたのは、人の生活を作るもとの事実と真正面から向き合いたいと心から望んだからでした。生きるのに大切な事実だけに目を向け、死ぬ時に、じつは本当は生きてはいなかったと知ることのないように、生活が私にもたらすものからしっかり学び取りたかったのです。私は暮らしといえない暮らしを生きたいとは思いません。私は今を生きたいのです」

 ソローとミニマリストの人生哲学には、多くの共通点があるように思えます。

 ミニマリストを目指す方は、ぜひ「森の生活」を読んでみてください。

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まとめ

 ミニマリストの実践するシンプルな生活にあこがれはありましたが、この映画を見て、ミニマリストとは、格差社会における「持つ者と持たざる者」の「持つ者」の層に入る人たちだということがわかりました。

 映画の中のミニマリストは、アメリカの富裕層で、なんでも手にいれることができ、その中でも、洗練されて厳選された質のよいものだけを身の回りに置いて、それを世の中に発信するという影響力のある人たちです。

 なので、映画を見終わって、少し「洗脳」のような強引さを感じました。

 しかし、人生について考えるきっかけにもなりました。

 例えば、ミニマリストが捨てようとするものに物欲がありますが、物欲は、人と比較することで生まれるので、物欲を持つと自分を見失い、自分にとって価値のあるものかどうかがわからなくなってしまい、人と比較する限り、決して満足しないし、幸せではないということです。

 なので、私も、ミニマリストの生活様式と自分の生活様式を比較するのはやめようと思いました。


 家の中を見渡してみて、今、使わなくても、使う「可能性」がある限り、モノは捨てられそうにありません。。。


 

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