おすすめドラマシリーズ:「チェスナットマン」に見る北欧について

北欧

 

 こんにちは。本格的な冬を迎え、個人的に北欧ブームに沸いている今日この頃、前から気になっていたデンマークのドラマシリーズ「チェスナットマン」(2021年)を見てみることにしたのですが、期待通り、すごくおもしろかったです。

 簡単なあらすじは、

「1980年代の凄惨な一家殺人事件から始まります。そこには、栗で作られた人形「チェスナットマン」が残されていました。
それから、時が経ち、現在、猟奇的な殺人事件が続いていて、シングルマザーの女性刑事のトゥーリンが捜査を担当していましたが、家庭を優先させたいという理由で、配置換えになるため、捜査から外れることになっていました。しかし、女性の惨殺事件が続き、現場には「チェスナットマン」が残されているという不可解さと、社会大臣の娘の誘拐殺害事件も絡んできて、捜査から外れなくなっていきます。現場に残された「チェスナットマン」が意味することとは?」

といった感じです。

1980年代のデンマークの田舎で起こる一家殺人事件から物語が始まるところも好奇心を刺激します。
それは、なんだか「テキサス・チェーンソー」のような雰囲気なのです。

 
 主人公は、凄惨な猟奇殺人事件を扱うだけあって、ただの優秀な刑事というだけでは済まされない、覚悟のある女性で、同じ北欧の女性刑事を主人公にしたドラマシリーズ「THE BRIDGE/ブリッジ」のサーガ・ノレーンを彷彿させます。
刑事というお堅い職業なのに、服装もラフで化粧っけのない感じも似ていて、そんなところにも魅力を感じます。

 日本でも、女性刑事(捜査官?)が活躍するようなドラマはたくさんありますが、まだまだ現実には程遠いドラマの世界という感じではないでしょうか。

 一方、北欧は、実際、福祉国家として女性の社会進出が目立つ国です。

 ドラマでも描かれているように、北欧ではシングルマザーの女性が社会的に地位の高い仕事をしていることも日本よりよく見受けられるし、政治に携わっている女性も目立ちます。


 今回は、ドラマの背景にある福祉国家としての北欧について理解を深めるため、女性をとりまく環境について見て行きたいと思います。

幸福度について

  
 北欧と言えば、税金は高いが、福祉国家で、民主的で腐敗の少ない政府、おしゃれなインテリアなどに人々は注目するのかと思います。

 さらに「人生の幸福度指数」という調査で、人類でもっとも幸福な国民に選ばれているのが「チェスナットマン」の舞台であるデンマークに暮らすデンマーク人です。

 この国では労働人口の20%以上が働いていないと言われ、それは、失業者は就労時の賃金の90%を2年間も保障されているからだそうです。

 手厚い保障があるがゆえに、働かない人も多いというコストを考えた上で福祉国家が成り立っているという面も考慮したとしても、現役世代に負担と不安しか押し付けない日本に生きる身としては、うらやましい限りです。





女性の社会進出について

 「チェスナットマン」の中でも、猟奇殺人犯に娘を誘拐され殺害されたとされる社会大臣の女性が出てきます。

 
 北欧では、福祉国家だけに、政治に対する国民の関心が高いため、女性が政治界に進出し、トップになってリーダーシップを発揮する機会が他国より多いようです。


 デンマークでは、2011年に、ヘレ・トーニングシュミットが女性初のデンマーク首相となりました。

 それは、2010年に放送されていた人気ドラマ「コペンハーゲン/首相の決断」を地でいくようなものです。

 ドラマでは、女性であるがゆえの困難に立ち向かう主人公を見て、実際、こんな鉄のような女性はあまりいないし、いたとしてもすごく優秀なのはともかく、家族の協力と覚悟もないとできないよな~と見ていた人が多いのではないでしょうか。

 さらに、2019年には、 社会民主党が政権を奪還し、デンマーク史上最も若い41歳の首相メッテ・フレデリクセンが誕生しました。

 女性党首としてはトーニングシュミット氏に続いて二人目です。

 デンマークで女性が首相になるという女性の活躍が目立っているとはいえ、北欧においても、管理職レベルで活躍する女性の数はまだまだ少ないのが現状だそうですが、

 それでも充実した育児休暇制度が整備されていて、男性の育児休暇の利用も世界的に見て多いので、女性の社会進出を強く後押ししています。 

 そんな北欧の手厚いサポート体制に比べると、日本の女性の社会進出へのサポート体制は、出遅れてる感がありますが、日本でも、実は、というか当然のように女性の就業率(社会進出とは違う意味で)は高くなっています。

 日本の女性の就業率の上昇について、北欧との違いは、国の手厚いサポートに支えられ、フルタイムで働く女性が増えている北欧に比べ、日本の女性は、パートタイムの割合が高いのです。

 しかも、日本では、女性の就業率の上昇が少子化にもつながっているばかりではなく、シングルマザの就業率が高いという問題を抱えています。



シングルマザー

 北欧で、日本よりシングルマザー率が高いのは、日本と違い結婚や離婚に関して世間体を気にしないということもあるそうですが、シングルマザーでも、生活していけるだけの公的サービスが整っているということが大きいようです。

 北欧では、共働きが一般的で、女性の立場は、まだまだ弱く、男女の賃金格差もあるので、離婚などにより、シングルマザーになってしまうと所得は減ってしまいます。

 しかし、ひとり親世帯を支える公的サービスは日本よりも格段に整っていると言えます。

 医療や教育は無償で、子育て世帯には、当然手当がありますが、ひとり親世帯には追加の手当や優遇措置があります。

 これでも生活に困窮する場合には、生活扶助や家賃補助を受給することができるのです。

 一方、日本では、シングルマザーを取り巻く環境は、とても厳しいと言えます。

 日本のシングルマザーの就業率は、80%を超えており、これは、女性が働くのが当たり前の北欧諸国よりも高く、他の先進国よりも高い(アメリカやドイツは70%、イギリスは50%)のです。

 日本では、身体的・精神的障害などによって働けないと認定された者以外、働く能力がある場合は、生活保護を受給できないことも多いということと、シングルマザーの約半数がパートタイムの非正規の仕事をしており、低所得で貧困に陥ってしまうという問題を抱えています。

 北欧では、二重三重のセーフティネットがあるのに、日本では、生活保護以外、特に公的なサービスがないと言えるような状況です。

まとめ

 独身女一人暮らしの身としては、シングルマザーの問題は抱えていませんが、孤独死や失業率の上昇などのニュースを耳にするたび「明日は我が身」と構えてしまいます。

 それは、やはり、日本では公的なサービスがあまりない、もしくはあっても制度が整備されていなくて国民全体に行き渡っていないからだと思います。

 福祉国家を実現している北欧モデルがあるのだから、ぜひ日本もそれに近づいて行ってほしいと切に願います。

 現役世代に負担ばかりを押し付けて、失敗したら、おしまいとばかりにはしごをはずすのではなく、北欧のように、セーフティネットで受け止めてほしいです。





女性刑事を主人公にした北欧ドラマシリーズ

 最後に、北欧のサスペンスドラマシリーズで、女性刑事が活躍するシリーズをご紹介しておきます。

 「ザ・キリング」や「ブリッジ」は、今は動画配信サービスで配信していないので、なかなか視聴できないのが、残念ですが、北欧のドラマの注目度の高まりとともに、近い将来、配信されることを願います!

 
「THE KILLING/ザ・キリング」
日本では、2012年~2013年まで、スーパー!ドラマTVで全3シリーズ放送されました。
女刑事事サラ・ルンドが活躍するデンマークのドラマシリーズです。



「THE BRIDGE/ブリッジ」
日本では、2013年~2018年まで、スーパー!ドラマTVで全4シリーズ放送されました。
女性刑事サーガ・ノレーンが主人公のドラマシリーズで、「THE KILLING/ザ・キリング」のデンマークスタッフとスウェーデンのスタッフの合作ドラマシリーズです。
主人公のサーガ・ノレーンが独特で、私が、北欧のドラマシリーズにはまるきっかけになった作品です。
サーガのトレードマークはレザーパンツとブーツで、愛車はポルシェ。人の表情が読めず、人間関係を築くことが苦手ですが、頭脳明晰で、刑事という仕事が転職というような女性です。

「DEADWIND:ソフィア・カルピ」
2018年からNetflixで配信されているフィンランドのドラマシリーズ。2021年、シーズン2が配信されています。
フィンランドのヘルシンキを舞台に、女性刑事ソフィア・カルピが活躍するドラマシリーズです。

 難事件に挑む正義感あふれる女性刑事が活躍するドラマシリーズをぜひご堪能ください。

 私は、個人的に、一匹狼的な女性刑事の仕事ぶりに魅かれてしまいます。





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